今回の節約術のテーマは【LED化によるの電気代節約】です。
室内照明を蛍光灯からLEDライトに変えれば、電気代を節約できるとよく聞きますが、LED化をする際には注意点もあります。
発火の可能性や室内が暗く感じる場合がありますので、しっかりと事前調査が必要です。
メリットである電気代節約効果と併せて説明したいと思います。
目次
蛍光灯の概要
リビング、洋室、和室の照明には天井面に取り付けるシーリングライトという照明器具が一般的に用いられています。
シーリングライトの光源には蛍光灯が多く用いられてきました。
蛍光灯からLEDライトに変更する場合に、蛍光灯の知識が必要なので簡単に説明します。
蛍光灯の点灯原理
蛍光灯は放電現象を利用した照明です。
360度全方向に光を発します。
- 蛍光灯の管の中には水銀が入っている
- 蛍光灯の電極間に高い電圧をかけることで電子が発生する
- 電子が水銀とぶつかることで紫外線が発生する
- 紫外線がガラス管内部に塗ってある蛍光材にあたると光を発する
蛍光灯の点灯方式
蛍光灯の電極に高い電圧を印加する方式としてグロー方式・ラピッド方式・インバータ方式の3種類あります。
原理 点灯管(グロー)をスイッチとして動作させ、安定器に電圧を発生させて、蛍光灯の発光に必要な高電圧を得る。
特徴 点灯までに時間がかかる。古い蛍光灯照明器具で使用されている。

原理 磁器漏れ変圧器を用いて高電圧を発生させ、点灯後に電流が増加すると電圧が低下して安定器として働く。
特徴 すぐに点灯する。点灯管が必要ない。インバータ方式が出るまでは主流の方式だった。
原理 商用交流電源を直流に整流した後に、インバータ回路と変圧器で高圧高周波の交流電源に変換する。
特徴 即時に点灯する。ちらつきが少ない。蛍光灯照明器具の主流の方式。
蛍光灯照明器具は生産停止
高効率なLED照明器具の普及促進のため、蛍光灯照明器具はメーカ各社が生産停止を発表しています。
補修用部品は生産終了後何年間かは保有されていますが、現在使用している蛍光灯照明器具はいずれはLED照明器具に変えなければいけなくなります。
LEDの概要
LEDの点灯原理
LED(Light Emitting Diode)は電流が流れると光る半導体です。
- LEDチップに直流電圧を印加する
- 電子と正孔が移動し、電流が流れる
- 電子と正孔が衝突するとエネルギーレベルが低くなる
- 低くなったエネルギーは光エネルギーに変換され、発光する
LEDの特徴
LEDの特徴はたくさんあります。
- 長寿命(40,000時間)
- 即時に点灯
- 調光が自在
- ちらつきが少ない
- 二酸化炭素の排出が少ない
- 紫外線の放射が少ない
LED照明へ変更する際の注意点
照明器具ごとLEDへの交換が安心
蛍光灯照明器具を使い続け、電球だけをLEDに変える方法がありますが、おすすめはしません。
蛍光灯照明器具の点灯方式により交換方法が異なりますが、デメリットが多いです。
- グロー方式 追加工事は不要。安定器の電力は消費してしまう。
- ラピッド方式 安定器のバイパス工事が必要。
- インバータ方式 回路のバイパス工事が必要。
また、お使いの照明器具の点灯方式の認識を誤り、適合していないLED照明に付け替えてしまうと発火の可能性があり危険です。
蛍光灯照明器具でLED照明をお使いになる場合は、必ず蛍光灯照明器具で点灯方式を確認してください。
ご不明点がある場合は、お近くの電気屋さんに相談する方がいいと思います。
蛍光灯照明器具の適正交換時期は10年で、それ以降は故障率が増加するとのことです。
お使いの照明器具の使用年数が経っている場合、照明器具ごとLEDへ交換が安心だと思います。
LED照明は室内が暗くなる??器具光束(lm)で比較してみよう
蛍光灯からLEDに変えたら暗くなったと感じる方もいるらしいです。
実質的な光束を検証しながら明るさについて考えてみましょう。
光束とは光源から放射される人間の眼が光と感じる量のことです。
- 全光束:360度すべての方向に放出する光の総量。単位はルーメン(lm)
- 器具光束:器具や光源の特性を考慮した実際の使用環境に近い光の量。単位はルーメン(lm)
- エネルギー変換効率(lm/W):1W消費で引き出せる光束で明るさの効率を示す指標
日本照明工業会が定める適用畳数によると、例えば12畳の場合、器具光束4500~5500lmとなっています。
ある12畳用蛍光灯照明器具の場合、消費電力90Wで全光束9000lm(100lm/W)という仕様でした。
全光束9000lmにも関わらず12畳用としているのはなぜでしょうか?
蛍光灯は全方向に光を放射する特性なので、天井方向に向かっている全光束の40~50%程度の光束をロスとしており、器具光束としては4500~5500lmとしているためです。
これに対し、ある12畳用LED照明器具の場合、消費電力33Wで器具光束5500lm(166lm/W)という仕様でした。
LEDは床方向に光を放射するので、全光束≒器具光束としています。
器具光束の数値は同様ですが、LEDの方が暗く感じるのはなぜでしょうか?
蛍光灯照明器具で照らされた室内の天井を見てみると、天井が明るくなっていますし、天井から床方向に反射している光束もあるでしょう。
住まいの違いで多かれ少なかれあると思いますが、ロスとして扱われていた天井方向の光束の明るさへの寄与で、蛍光灯の方が明るいと感じる人が多いと思われます。
暗くなるのが心配でしたら、ワンランク上の適用畳数のLED照明器具を選択した方がいいと思います。
LED化のメリット(電気代節約効果)
リビングに使用するシーリングライトを蛍光灯照明器具からLED照明器具に変更した場合の電気代節約効果を試算します。
1日8時間使用したとします。
寿命は40,000時間。
LED照明器具14畳用を23,000円で購入したとします。
■蛍光灯(90W)
90W × 8時間 × 365日 × 0.027円/W = 7,095円
■LED(40W)
40W × 8時間 × 365日 × 0.027円/W = 3,153円
1年間の電気代節約金額 3,942円
照明器具代金を電気代で元を取るには?
23,000 ÷ 3,942 = 5.8年
寿命は?
40000 ÷ 8 ÷ 365 = 13.6年
まとめ
リビングのライトをLEDに変えて、電気代を節約しましょう!
電気代節約アクション
- 使用時間の長いリビングのライトをLED照明器具に変える
電気代節約メリット 3,942円節約(6年目以降)